学生ローンをはじめ、貸金業者の締め作業は締めという作業が一日の業務の最後にある。
毎日毎日お金の出し入れが激しい貸金業者では、締め作業は非常に重要な作業である。
例えば、お金の出し入れを検査した結果、実際にあるはずの在庫よりも多かった場合に問題となる。
利用者に少なく渡してしまった可能性が高い為だ。
数ある学生ローンの中からせっかく選んでもらったのに、これでは信用ガタ落ちである。
知り合いの銀行員に聞いた話だが、銀行ではたとえ1円でも締めがあわないと夜を徹して徹底的に調べ上げるそうだ。
これぐらいやらないと行員の意識レベルが向上しない為だとか。
1円あわなかっただけでサービス残業ではたまったものではない。
お金の出し入れはことさら慎重になるだろう。
学生ローンの場合、規模が小さい為、多少の小回りがきく。
例えば、締め作業の結果、1万円多くあまってしまったとする。
この場合、誰かに1万円少なく渡してしまった可能性が高い為、日付と金額を掲示板などに記録し、全社員に周知徹底を図る。
そして、後日お客からクレームがあった場合に備える。
日付と金額など、できるだけ詳細に確認し、間違いないと判断できれば適切に処理をすることができる。
銀行や大手では、社員の人数が多すぎてとてもこれは真似ができるものではない。
少数経営ならではの利点といえるだろう。
では、学生ローンの締め作業の結果、お金があわなかった場合にどのような調査が行われるのだろうか?
一番手っ取り早いのが銀行の取引きである。
銀行取引は、返済・貸付を問わず必ず記録が残っているので、調査が容易なのである。
例えば、コンピューター上では5万円の貸付が実行されているのに、実際は4万円しか振り込んでいない場合、明らかに1万円少なく送金してしまった事が確認できる。
入金処理にしても同様に、通帳と入金伝票を照らし合わせる事で、容易に入金処理のミスを発見することができる。
●問題となるのは、現金の取引き
締めがあわなかった時で一番やっかいなのが現金の取引きである。
返済入金、貸付出金問わずだ。
何しろ伝票はあるものの、金銭授受の確実な証拠が何一つない。
締めがあわなかった時は、まず銀行取引きなどの決定的な証拠があるものから調査するが、それでも判明しなかった場合は、現金でのやり取りが濃厚となってくる。
しかし、現金ばかりは調べようがないので、最終的には原因不明のままお金合わせをすることになる。
その後の処理は前述の通りだ。
後日お客さんから指摘があったときに、日時や金額などを聞き取りし、符号すれば信頼して返金するなり、当時の日付で入金処理するなりして対処する。
以上が学生ローンにおける「締め」というお金あわせ(日常業務の棚卸しともいえる)の業務内容を簡単に説明した。
もし、残高がおかしいなどの疑問があった場合は、一度問い合わせてみると良いだろう。